↑知人からの依頼で保護したリコちゃん
保護翌々日に無事飼い主さんの元にお戻しする事ができました。
猫を保護した時の対処方法等、何かの参考になればと思い、シェアさせて頂きます。
12/13(月)夜
「怪我して衰弱している猫を保護したので、救急病院に連れて行って欲しい」
との依頼で、急遽江戸川区の保護現場へ
保護された猫は段ボールの中で毛布に包まっていました。
ポイント1
通常、野良猫を素手で捕まえるのは至難の技です。
簡単に捕まった場合は余程具合が悪いか、
飼い猫、もしくは人馴れしている地域猫であると考えられます。
預かって下さっていた方の話だと「チュールをあげたら元気になった」と。
足から出血しているとの事でしたが、大量出血ではなく、
食欲もあるようだし、箱の上から見た感じでは緊急性は低いと判断し、
とりあえず自宅に連れ帰ることに。かなり高齢と思われます。
ポイント2
外猫を保護した場合、感染症やノミダニ等のリスクがある為、
基本的にはすぐに病院に連れて行き、ウィルス検査&駆虫薬
を行ってから家に入れる事をお勧めします。
特に先住動物がいらっしゃる場合には、先住動物の安全を第一に考えて下さい。
今回は、保護したのが夜間だった為、先住猫や先住保護猫と完全隔離対応。
別部屋にケージを置き、ケージの上から防寒&カバー用の毛布をかけ、
ノミがいた場合の飛散防止対策をしました。
保護猫のお世話後は手洗い&消毒の実施。
感染症蔓延予防措置として、服、靴下、等は全てその部屋から出る時に着替える。
帰宅後、ご飯をあげると、むしゃむしゃとかぶりつく様に食べるので一安心。
元気に大きな声で鳴いています。
ただ目は白濁し、あまり見えていない様子。
口腔内に炎症があるのか?ドライフードでは痛そうにしています。
今晩はそのまま様子見して、翌日病院へ連れて行く事に。
12/14(火)
朝、トイレに大量のおしっこがしてありました。
朝食は療法食のad缶を半缶位食べ、かなり痩せてはいますが食欲旺盛、元気です。
朝一で病院に連れて行きました。
体重1.65kgしかなく、脱水が酷く、やはりかなり高齢であろうと。
目の白濁は、腎臓疾患からか?甲状腺機能亢進症からか?
網膜剥離でおそらく見えていないだろうと。
血液検査をする事にしましたが、脱水が酷く、中々採血できず・・・。
足→首→足と場所を変え、なんとか血液検査と甲状腺検査分の血液を採取。
ウィルス検査分の血液までは取れず次回となりました。
甲状腺の検査は外注になるので、結果は後日になるが、
やはり甲状腺機能亢進症の可能性が高いとの事でした。
輸液とコンベニア注射、採血中もおとなしく、本当にお利口なのでリコちゃんと命名。
爪がかなり伸びていたので、爪切りを実施。
巻き爪で肉球に刺さり、出血&びっこをひいていたようです。
放浪歴が長いのかな?よくお外で生きていたなと。
病院から帰宅後、江戸川区の保健所に電話連絡。
ポイント3
人馴れしている場合、飼い主又は地域猫としてお世話をされている方が必ずいます。
保護現場管轄の自治体、保健所等に必ず連絡をし、迷子猫の情報を確認して下さい。
又、保護現場付近に保護した旨のポスターを掲示したり、
近隣にチラシをポスティングされ、情報提供を求めるのも有効です。
(今回、該当情報は無く、保護現場近隣の保護猫カフェの連絡先を教えて頂きました)
リコちゃんはケージの中で、時折大声で鳴きますが、放っておくと又静かになり、
良く眠っています。
トイレとシートに大量のおしっこ、脱水が気になります。
食欲は旺盛なので、ad缶を食べさせ、早く脱水が良くなるよう祈るばかりです。
12/15(水)
保健所からの電話で、飼い主と思われる方から連絡が入ったと。
その後、飼い主の息子さんの奥様より電話が入り、間違いないとなり、夕方、お届けに。
リコちゃんの本名はみーちゃんで、御歳18歳!!!!
やはり甲状腺機能亢進症と腎臓病を患っていて、投薬中とのこと。
「お外に行きたいと鳴くので散歩に出していたが、いつもはすぐに帰ってくるところ、
月曜日は帰って来ず、夜寒かったし、火曜日は雨だったし、
もう死んでしまったのでは?と思っていました。
保護して下さり、本当にありがとうございました。」
と、お母様が涙を流されてお迎え下さいました。
保護現場とご自宅はすぐ近くのようですが、普段は保護現場の方迄は行かないそうで、
目も見えず、道に迷い戻れなくなっていた可能性もあります。
もし保護していなかったら、寒さと雨で本当に命を落としていたかもしれません。
ポイント4
都市部で猫を飼う場合は完全室内飼いを徹底されて下さい。
今まで野良猫を100匹位保護し、里親さんにお繋ぎしていますが、
最初はお外に行きたいと鳴いていた子も、家猫になったことを伝え、
上下運動できるような家具の配置や、おもちゃを使った遊び等で
エネルギーを発散させてあげれば、室内だけの生活でも充分です。
野生が残りどうしてもお外が必要な猫の場合はリードを付けてお散歩されて下さい。
又、完全室内飼いでも、万が一脱走された場合に無事戻る事ができるよう、
連絡先を明記した首輪をつけることをオススメします。
環境省や自治体では、マイクロチップの装着を推奨しています。
今回、お仕事ご多忙なところ、「猫を救いたい」という一心で、
保護に踏み切って下さった保護依頼主小川様の行動がみーちゃんの命を救いました。
小川様より病院代として一万円の募金を頂きました。
又、飼い主の田中様からは三万円の募金と、お菓子やお茶やおかず等、
沢山のお土産を頂きました。
皆の想いとお導きにより、無事飼い主の元に戻れたみーちゃん。
これからも元気に幸せに猫生を全うされますように💫🙏💫