2021年12月16日木曜日

保護猫りこちゃん、本名みーちゃん無事飼い主さんの元へ

↑知人からの依頼で保護したリコちゃん

保護翌々日に無事飼い主さんの元にお戻しする事ができました。

猫を保護した時の対処方法等、何かの参考になればと思い、シェアさせて頂きます。

12/13(月)夜

「怪我して衰弱している猫を保護したので、救急病院に連れて行って欲しい」

との依頼で、急遽江戸川区の保護現場へ

保護された猫は段ボールの中で毛布に包まっていました。

ポイント1

通常、野良猫を素手で捕まえるのは至難の技です。

簡単に捕まった場合は余程具合が悪いか、

飼い猫、もしくは人馴れしている地域猫であると考えられます。

預かって下さっていた方の話だと「チュールをあげたら元気になった」と。

足から出血しているとの事でしたが、大量出血ではなく、

食欲もあるようだし、箱の上から見た感じでは緊急性は低いと判断し、

とりあえず自宅に連れ帰ることに。かなり高齢と思われます。

ポイント2

外猫を保護した場合、感染症やノミダニ等のリスクがある為、

基本的にはすぐに病院に連れて行き、ウィルス検査&駆虫薬

を行ってから家に入れる事をお勧めします。

特に先住動物がいらっしゃる場合には、先住動物の安全を第一に考えて下さい。

今回は、保護したのが夜間だった為、先住猫や先住保護猫と完全隔離対応。

別部屋にケージを置き、ケージの上から防寒&カバー用の毛布をかけ、

ノミがいた場合の飛散防止対策をしました。

保護猫のお世話後は手洗い&消毒の実施。

感染症蔓延予防措置として、服、靴下、等は全てその部屋から出る時に着替える。

帰宅後、ご飯をあげると、むしゃむしゃとかぶりつく様に食べるので一安心。

元気に大きな声で鳴いています。

ただ目は白濁し、あまり見えていない様子。

口腔内に炎症があるのか?ドライフードでは痛そうにしています。

今晩はそのまま様子見して、翌日病院へ連れて行く事に。


12/14(火)

朝、トイレに大量のおしっこがしてありました。

朝食は療法食のad缶を半缶位食べ、かなり痩せてはいますが食欲旺盛、元気です。

朝一で病院に連れて行きました。

体重1.65kgしかなく、脱水が酷く、やはりかなり高齢であろうと。

目の白濁は、腎臓疾患からか?甲状腺機能亢進症からか?

網膜剥離でおそらく見えていないだろうと。

血液検査をする事にしましたが、脱水が酷く、中々採血できず・・・。

足→首→足と場所を変え、なんとか血液検査と甲状腺検査分の血液を採取。

ウィルス検査分の血液までは取れず次回となりました。

甲状腺の検査は外注になるので、結果は後日になるが、

やはり甲状腺機能亢進症の可能性が高いとの事でした。

輸液とコンベニア注射、採血中もおとなしく、本当にお利口なのでリコちゃんと命名。

爪がかなり伸びていたので、爪切りを実施。

巻き爪で肉球に刺さり、出血&びっこをひいていたようです。

放浪歴が長いのかな?よくお外で生きていたなと。

病院から帰宅後、江戸川区の保健所に電話連絡。

ポイント3

人馴れしている場合、飼い主又は地域猫としてお世話をされている方が必ずいます。

保護現場管轄の自治体、保健所等に必ず連絡をし、迷子猫の情報を確認して下さい。

又、保護現場付近に保護した旨のポスターを掲示したり、

近隣にチラシをポスティングされ、情報提供を求めるのも有効です。

(今回、該当情報は無く、保護現場近隣の保護猫カフェの連絡先を教えて頂きました)

リコちゃんはケージの中で、時折大声で鳴きますが、放っておくと又静かになり、

良く眠っています。

トイレとシートに大量のおしっこ、脱水が気になります。

食欲は旺盛なので、ad缶を食べさせ、早く脱水が良くなるよう祈るばかりです。


12/15(水)

保健所からの電話で、飼い主と思われる方から連絡が入ったと。

その後、飼い主の息子さんの奥様より電話が入り、間違いないとなり、夕方、お届けに。

リコちゃんの本名はみーちゃんで、御歳18歳!!!!

やはり甲状腺機能亢進症と腎臓病を患っていて、投薬中とのこと。

「お外に行きたいと鳴くので散歩に出していたが、いつもはすぐに帰ってくるところ、

月曜日は帰って来ず、夜寒かったし、火曜日は雨だったし、

もう死んでしまったのでは?と思っていました。

保護して下さり、本当にありがとうございました。」

と、お母様が涙を流されてお迎え下さいました。

保護現場とご自宅はすぐ近くのようですが、普段は保護現場の方迄は行かないそうで、

目も見えず、道に迷い戻れなくなっていた可能性もあります。

もし保護していなかったら、寒さと雨で本当に命を落としていたかもしれません。

ポイント4

都市部で猫を飼う場合は完全室内飼いを徹底されて下さい。

今まで野良猫を100匹位保護し、里親さんにお繋ぎしていますが、

最初はお外に行きたいと鳴いていた子も、家猫になったことを伝え、

上下運動できるような家具の配置や、おもちゃを使った遊び等で

エネルギーを発散させてあげれば、室内だけの生活でも充分です。

野生が残りどうしてもお外が必要な猫の場合はリードを付けてお散歩されて下さい。

又、完全室内飼いでも、万が一脱走された場合に無事戻る事ができるよう、

連絡先を明記した首輪をつけることをオススメします。

環境省や自治体では、マイクロチップの装着を推奨しています。


今回、お仕事ご多忙なところ、「猫を救いたい」という一心で、

保護に踏み切って下さった保護依頼主小川様の行動がみーちゃんの命を救いました。

小川様より病院代として一万円の募金を頂きました。

又、飼い主の田中様からは三万円の募金と、お菓子やお茶やおかず等、

沢山のお土産を頂きました。

皆の想いとお導きにより、無事飼い主の元に戻れたみーちゃん。

これからも元気に幸せに猫生を全うされますように💫🙏💫